【施術例】病院に行くも問題なし。アジリティドッグの11歳イングリッシュコッカー
名前:ライルくん
年齢:11歳(もうすぐ12歳)
お客さまのお悩み
・爪をこする音がする
・座ると後ろ足の姿勢が崩れる
・トイレで踏ん張りがきかない
・病院に行ったが問題は見つからなかった
・引き続き元気にアジリティに取り組みたい
施術前の状態
・右前足重心、左後ろ足に衰えを確認
・後ろ足を前に出すとき腰椎が腹屈する(一歩踏み出すたびに腰がバウンドして見える)
・お尻のラインが下がっている
・前ももにコリ(アジリティ由来)
・肩甲骨まわり、殿筋(特に左)にコリ
・前足が空転している
なぜこの状態になったか
ライルくんはアジリティや日々のお散歩で山を歩いたり川で泳いだりと、運動量は十分な状態でした。それでも、年齢を重ねれば筋肉は衰えてゆくものです。
「爪をこする」「おすわりが崩れる」「踏ん張れない」これらは筋力低下のサインです。でもケアを継続することで、衰えを緩やかにすることはできると思っています。
ひとつ気になったのは、アジリティをしている犬に多い手首のこりが無かったことです。急な方向転換などでブレーキとして使われることが多い筋肉ですが、もしかしたらライルくんは、肩甲骨まわりの筋肉をクッションとして利用していたのかもしれません。その証拠に、肩甲骨まわりの筋肉に目立つこりがありました。肩甲骨の、特に上部の動きが悪い状態でした。
重点的にほぐした筋肉
◯前もも
◯肩甲骨まわり(棘下筋、棘上筋、上腕三頭筋)
◯左殿筋
施術結果
歩き方の比較
▼施術前
▼施術後
ちょっと分かりにくいですが、後ろ足を動かすときに腰椎を腹屈させていた動きが改善しています。
下がりぎみだった頭も上がりました。
立ち姿の比較
静止時の姿勢の比較です。
お尻のラインが伸びて丸みが改善しています。
膝も曲げやすくなったようです。
詳しい方が見れば、姿勢が悪化したように見えるかもしれません(肩甲骨が立っている、歩幅が狭まっているなど)。
運動時に肩甲骨まわりの筋肉をブレーキとして使ってきたことで、肩甲骨の角度が寝た状態で凝り固まっていたと推測します。
前側を頼りたいのに硬くて頼れず、前のめりになって首が上がりにくい状態でした。
ほぐれた結果、肩甲骨の角度が「立つようになった」という変化パターンです。
続けてほしいセルフケア
飼い主さまが日常的にケアしてくださったおかげで、胸まわりの筋肉は柔らかい状態でした。
いつもたくさん運動しているとのことなので、さらに運動を増やして筋肉をつけるよりは、今ある筋肉を衰えさせないという考え方がおすすめです。
今行っている運動を長く行うためにも、筋肉を動かしやすい状態にしてあげることが重要です。
ケアのポイントは「前足側」。
そしてアジリティで全力疾走するとき酷使する「前もも」です。
イングリッシュコッカーは体が柔らかい犬種なこともあり、こりや姿勢の変化が見落とされやすいかもしれません。引き続き様子を見守ってあげてくださいませ!