【施術例】座ると膝が開く保護犬8歳シュナウザー
名前:グリちゃん
年齢:推定8歳
お客さまのお悩み
- 座ると膝が開く
- ケンケンとスキップするように歩くことがある
- ちょこちょこ歩いている気がする
- 2年前に膝に炎症があると診断された
- 腰が硬い
- 保護犬なので体の状態を知りたい
施術前の状態
- 座るとき前足を前に突き出すように体重をかけている(前足と後ろ足の距離が遠い)
- 上腕三頭筋、前腕、肩甲骨上部に強いコリ
- 座ると膝が外を向くことがある
- 股関節と膝がうまく曲がらないため、後ろ足を前に出すとき腰を瞬間的に丸めている
- ↑の動きのよって腰とお尻が硬くなっている
- ももの裏の筋肉を使っていない形跡&ふくらはぐに強いコリ
なぜこの状態になったか
4年前に保護された元繁殖犬のグリちゃん。保護された当初は筋肉の量が少なく、肉球がとても柔らかい状態で、現在も走り方を知らない様子のため、運動量が少ない環境で生活していた可能性が高いそうです。現在は飼い主さんがたくさん運動してくれおかげで、筋肉量自体は大きな問題が無いようでした。
後ろ足は膝と股関節の可動域が狭い状態でした。
前足は肩甲骨の動きが悪い状態でした。
▼後ろ足について
ももの裏側の筋肉を使っていないようです。ももの裏側の筋肉の代わりに、ふくらはぎとももの前側を使っているようでした。おすわりをするときドスンとお尻をおろしていました。これも後ろ足がうまく使えていないときに見られる動きです。
これまでの犬生で体を大きく使う機会がなかったことで、狭い歩幅で歩く癖がついてしまったのかもしれません。または、炎症が起きたときの痛みを覚えていたり、その際にかばって歩く癖がつくなどして、グリちゃん自身が後ろ足を使わないようにしている可能性もあります。
▼前足について
前足で体を支えているようです。前腕や上腕三頭筋や肩甲骨上部の筋肉に強めのコリがあり、肩甲骨が前に引っ張られている角度でした。とはいえまだ8歳と若く、姿勢を歪めるほどの強いコリではない段階だったことが幸いでした。ストレッチでかんたんに緩み、胸の筋肉は柔らかい状態でした。
コリがあった筋肉
◯上腕三頭筋
◯前腕
◯ふくらはぎ
◯前もも
◯殿筋
施術結果
おすわりの姿勢比較
【施術前】
前足が前に伸び、前のめりの姿勢でした。膝も外に向きがちで、前足と後ろ足の距離が遠い姿勢です。
【施術後】
肩甲骨の動きがよくなったため、前足の位置が後ろに引かれ背筋が伸びました。膝もきちんと折りたたまれています。前足と後ろ足の距離も近くなり、重心バランスが整いました。
おすわりの動作比較
▼施術前の動き
▼施術後の動き
【施術前】ドスンと腰をおろしていました。前足に体重をかけて座り、衝撃も前足で吸収しています。
【施術後】後ろ足を折りたたんでから、床にお尻をつける手前で一瞬止めて、勢いをコントロールしてから腰をおろしています。後ろ足の筋肉を使ってブレーキをかけられています。
可動域の比較
各足に体重が乗った瞬間の歩幅を比較した写真です。
【前足】肩甲骨の可動域が改善したことで、前後に歩幅が広がりました。
【後ろ足】お尻を丸めて動作を補っていた施術前と比べて、施術後はお尻のラインが高い位置でキープされています。一見すると後ろ足の歩幅が狭くなったように見えますが、施術前は必要以上に大きな動作をしていたということです。
前もものコリも、必要以上に蹴っていたためと推測します。実は施術後の歩き方が、最後にちょっと跳ねる歩き方に変わりました。これも前もも&ふくらはぎの筋肉を使う癖によるものだと思います。この歩き方がどう変わっていくか、今後も見守っていきたいです!
▼施術前
▼施術後
まとめ
後ろ足のケンケンは、おそらく前足と後ろ足の歩幅が違うこと、そして後ろ足の関節が曲げにくいことで歩くリズムが崩れた瞬間にバランスを取ろうとして起こるように見えました。(動作がつっかかってしまった感じです)
後ろ足の筋肉(特にももの裏)を使わない癖がありそうです。
施術後に正しいおすわりの動きができていたことから、使えないわけではないようです。
歩幅も広がり、きちんと筋肉を使える歩き方になったため、今の歩き方を維持できれば、ももの裏を使ってくれるようになるかもしれません。この結果は次回チェックしますね!
若い年齢だったこともあり、コリはほぐれやすく、ストレッチですぐに緩めることができました。
施術を導入するにはとても良いタイミングであったと思います!
続けてほしいセルフケア
まずはこれら3つの筋肉で、コリをほぐす感覚に慣れてみてください。
次回以降、前腕と殿筋のほぐし方をお伝えしますね。