愛犬の姿勢をチェックしてみよう

目次

あなたの愛犬はどの段階?

体の「こり」を見逃すと、こりは体のバランスを崩して姿勢を歪め、筋力の低下に繋がります。
体にこりができた早い段階でケアすることで、姿勢が悪く前に防げるかもしれません。

【段階1】こりのサイン

体にこりができると、筋肉の一部が硬くなったことで、動きや体の使い方に現れます。
よく見ていないと見落としやすい段階です。

こんなサインが現れます

などなど…

使いたい筋肉がこりのせいで硬くなって体が動かしにくいため、別の動作をすることで違う筋肉を頼っている動きです。
歩き方で気づく飼い主さんもいれば、腰が硬いことで変化に気づく飼い主さんもいます。(左右に振る動きは腰に負担がかかるため)

こりのせいで、本来使うべき筋肉が使えなくなってきているサインです。
人間に例えると「体が動かしにくいから整体行こう」という発想を持つ段階です

このサインに気づかず放っておくと、こりがさらに強くなったり、別のこりが発生して、【段階2】に進んでしまいます。
そうなる前にぜひ、セルフケアしてあげてください。

この段階なら、ももの後ろ側、ももの前側、ふくらはぎのケアが有効な場合が多いです。

【段階2】歪みのサイン

筋肉の負荷のバランスが崩れて、姿勢を歪めてしまっているサインです。
姿勢に影響するほど強いこりができている状態です。

こんなサインが現れます

などなど…

「よく使う筋肉」と「使わない筋肉」の差が大きくなり、筋肉に強いこりができた結果、短くなった筋肉に骨が引っ張られて姿勢が歪んでしまった状態です。

人間に例えると、猫背だったり、ストレートネックだったり、高齢になって背中が曲がってきているような状態です。
そう考えれば、一度の施術で改善できるような段階ではないのはイメージできるかもしれません。
時間をかけて改善していくことになります。(年齢が若かったり、体の状態など、効果が出やすいワンちゃんは一度の施術で姿勢が劇的に変化することもありますが、まれです)

【段階3】筋力低下のサイン

後ろ足の筋肉が衰えている状態です。
高齢のワンちゃんに多く見られます。
長い期間ケージにいてブリーダーレスキューされた保護犬などは、若くてもサインが見られる場合があります。

こんなサインが現れます

などなど…

「急に足が震え出した。でも病院では異常はないと言われた」
そう言って、この段階で犬の整体を頼る飼い主さんが多いです。
そして震えの原因が、筋力が衰えて体重を支えるだけの力がないから、という単純な理由なことも多いです。

「筋力が低下しているなら、どんな筋トレすればいいですか?」と質問をいただくことがあります。

でもこの段階は人間に例えると、杖をついて歩きたい状態であると思っています。
杖をついた老人に「筋トレして杖を手放せ!」というのはなかなか酷なことですよね。
「以前のように元気に走ってほしい」と望む飼い主さんも多く、どう伝えるべきかいつも言葉に迷います。ワンちゃんは高齢になっても子犬の頃と変わらない可愛さのため、なかなか老化をイメージできない気持ちはとっても分かるからです。

筋肉が衰えてしまった状態の場合、無い筋肉そのものを整体施術で増やすことはできません。
まだ残っている筋肉を使える状態にして、施術前よりも動きやすい状態にすることで、これ以上筋肉を低下させないよう「筋力維持のための施術」を行います。

この【段階3】ともなると、主に前足側のケアを重点的に行うことが多いです。
人間でイメージすると、杖を使えば立てるならば、杖が持てる状態を維持しよう、ということです。
後ろ足を頼れなくなった犬は、前足に体重をかけて、杖のように使うためです。
高齢になれば、多少不格好な姿勢でも、自力で歩けることの方が重要だと思っています。

加齢による筋力低下は避けられないことです。
でも早めに気づけた分だけ、筋力が低下するスピードをゆっくりにして、自力で立てる期間が長くなるかもしれません。

ちょっとショックな言葉を並べてしまいましたが、高齢のワンちゃんでも、体が動かしやすくなったことによって心が元気になって活動的になったり(自分の体が動かしにくいことに落ち込むワンちゃんは多いです)、お散歩の距離が長くなったり、力強さが増す例はたくさんあります。

まとめ

ここに記載したのはあくまで「そういう例が多い」というお話であって、どれかの項目に当てはまったからといって、必ずしも悪い状態であるというわけではありません。
動作や姿勢には、犬種や、生まれ持った体の形、ケガや病気の影響、性格や体の使い方の癖など、いろんな理由があるからです。

「正しい姿勢が良い姿勢、ではない」というのもポイントです。私たちだって、毎日いつ何時も正しい姿勢でいたら疲れちゃいますよね。気を抜いて楽な姿勢でいたいものです。犬だって同じです。緊張しつづけていたら、それこそ、こりになってしまいます。

でも、こりが原因で筋力低下が起きてしまうことを知っていれば、気づいた時点で防げるかもしれません。
それが【段階1】の時点であれば、筋力低下で歩けなくなる未来を遠ざけられるかもしれません。

ここに書いた内容は、整体師を頼るべきかどうかの参考としてご利用いただければと思っています。
実際、これらのサインはどれかひとつではなく、複数が同時に起きていることが多いので、見極めるのも難しいです。
もし気になることがあったら、お近くの犬の整体師さん(もちろん私でもOK)に相談してみてください。

この記事を書いた人

渡辺いつき
犬の整体師

神奈川や新潟で活動しています。
銀髪なことが多いです。
よく間違われますが女性です。

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渡辺いつき
犬の整体師

神奈川や新潟で活動しています。銀髪なことが多いです。
よく間違われますが女性です。

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