【施術例】後ろ足がガクンとなる14歳のラブラドール
犬種:ラブラドール・レトリバー(ココちゃん)
年齢:13歳11か月
お客さまのお悩み
・びっこを引いて歩いているみたい
・疲れると後ろ足をひきずって歩くことがある
施術前の状態
がくんがくんとお尻が上下に動いているのが分かります。
特に、左足を蹴り出す瞬間にお尻が丸まります。右に比べて左の後ろ足の力が弱いことが原因のようです。右足が浮いて左足に体重がかかる際に支えきれず態勢が崩れるのを、右足で踏ん張って支えているように見えました。(お尻が丸まる瞬間は尻尾の動きを見ると分かりやすいです)
この左右の歩幅の違いが、びっこを引く動きに見えていたようです。
・全体的に体の右側にこり
・もも裏の筋肉はかなり衰え
・お尻の筋肉が衰えきっておらず(この年齢にしては珍しいです)こりがある。
・腰が硬い
・右のふくらはぎに最も強いこり
・上腕三頭筋を除き、肩甲骨まわりの筋肉の動きは悪くない
なぜこの状態になったか
肩甲骨と胸周りがとても硬く、前足加重になっています。原因は後ろ足が衰えたことにありますが、シニア犬でこの年齢のラブラドールなら仕方がないことです。(むしろ十分歩けています)
衰えた左足を右足がかばっており、右足の着地時にぐっと踏ん張る動きをしています。右のふくらはぎに目立つこりがあったのは、この動きによるものと考えられます。
体の右側にこりが目立つ理由は、左の後ろ足に体重をかけないよう右側が頑張っているためです。
施術のポイント
シニアになると後ろ足から衰えていく、とよく言われますが、お尻の筋肉(殿筋)も早い時期に衰えていく筋肉です。ココちゃんは14歳とは思えないほど、殿筋の筋肉が残っていました。
殿筋は体を動かすというよりは、姿勢の維持に使われる筋肉です。この姿勢を維持する筋肉のバランスを整えるため、お尻のほかに胸周りの施術を重点的に行いました。
重点的にほぐした筋肉
ふくらはぎ
右足のふくらはぎです。左足の代わりに頑張っていたために強いこりができていました。これをほぐして、使いやすくします。
浅胸筋
前足にかかる体重を支えたり、重力に対抗するために使われる胸の筋肉です。前足荷重で立ったり歩いたりしているため、強いこりができていました。
殿筋
お尻の筋肉です。犬のお尻の筋肉は人間のお尻の筋肉と違う使われ方をします。筋肉の大きさも人間よりずっと小さく、あまり使われません。そのため衰えやすい筋肉のひとつです。
その他に目立つこりがあった筋肉
上腕頭三筋、棘下筋、橈尺手根屈筋
施術結果
▼施術前
▼施術後
BeforeとAfterで首輪の色が異なりますが、どちらも同じ日のココちゃんです。
左足で蹴れるようになりました。施術前は蹴り出す瞬間にがくんとバランスを崩していた瞬間がありましたが、軽減されました。姿勢を維持するための筋肉が施術で柔らかくなり、使えるようになったためと思われます。
続けてほしいセルフケア
上腕三頭筋、浅胸筋
おまけ
施術中のワンショットです!
リラックスした様子ですね^^