【施術例】ヘルニアの疑いがある後ろ足の力が抜ける12歳フレブル
名前:とこちゃん
年齢:推定12歳
お客さまのお悩み
・信号待ちで左後ろ足を浮かせる
・歩くと爪の音がする
・右側重心になっている
・ヘルニアで麻痺があるかもと診断され治療中
施術前の状態
左後ろ足の状態
・股関節から下の関節がピンと伸びている
・体重を支えられない
・足根関節から下がダランと完全に力が抜けることがある
・指先をつまむと反射は見られる
・左のふくらはぎは使っていないこり
その結果、右の前足で体重を支えている状態でした。
その他気になった点
・右のふくらはぎとこりの状態が違う
・背中が丸い
なぜこの状態になったか
左後ろ足の膝が曲がらないため、お尻を左右に振って歩いています。
左後ろ足に体重を乗せないように歩いているため、右前足に大きな負荷がかかり、右側重心になっています。
この重心の癖は、おすわりの姿勢にも現れています。
右の前足に寄りかかるように座るため、上半身が右側に傾いていました。
施術では、前足側をほぐし肩甲骨の角度を整えることを目標としました。
とこちゃんは背中~お尻のラインが丸く、骨盤が後屈している状態です。骨盤の歪みの原因は前足側のこり(特に肩甲骨)であることが多いため、前足側のこりを重点的にほぐすことで、後ろ足が使いやすくなることを期待して施術しました。
重点的にほぐした筋肉
・手根屈筋
・上腕三頭筋
・殿筋
施術結果
おすわりの姿勢の変化
背中のライン比較
右前足に重心が傾いていたため、背骨が湾曲しているような姿勢でした。
左右のバランスを整えたことで両方の前足に体重を乗せられるようになりました。
横から見ても、反っていた(肩甲骨が盛り上がり高い位置にある)状態が改善されているのが分かります。
歩き方の変化
▼施術前
▼施術後
お尻の振り方が小さくなりました。お尻を振らなくても足を前に出せるようになったということです。
伸びきっていた膝を曲げて歩いています。ヘルニアによる麻痺の影響については獣医ではないため判断できませんが、少なくとも筋肉をほぐしただけで、これだけ歩き方が変化しました。
座る動作の変化
▼施術前
▼施術後
施術前はジャンプした瞬間に足を折りたたむ、前足でブレーキをかける座り方をしていました。これは前足の筋肉しか使わないため避けたい座り方です。
施術後は座る直前に、一瞬後ろ足でブレーキをかけられています。後ろ足の筋肉が使える状態になったということです。
続けてほしいセルフケア
とこちゃんは前足側のこりがとても強く、手首から胸、背中にかけて固まっていました。肩甲骨を直接触ってもほぐれない状態だったため、手首から丁寧にほぐしていきました。
ほかに特徴的だったのは、お尻の筋肉と後ろ足の内側の筋肉がこり固まっていたことです。
後ろ足にかかる体重を支える役割の筋肉が総じてこっていた状態でした。
とこちゃんのようにほぐすべき筋肉が多岐に渡っている場合、セルフケアはなかなか大変かもしれません。定期的に見させていただけるお客様の場合、セルフケアは優先度の高いものからお伝えして、ちょっとずつやり方を増やしていきます。(いきなり全部やろうとすると、人間も大変だし、犬も疲れてしまうため)
愛犬の体のどこにこりがあって、そのこりは何が原因で、そのこりは何を引き起こしてしまうのか。この施術レポートをご活用いただき、セルフケアに挑戦いただければと思います!
おすすめのセルフケア
手根屈筋、上腕三頭筋、殿筋