【施術例】股関節形成不全の13才ゴールデンレトリバー

名前:Yちゃん
年齢:13歳

目次

お客さまのお悩み

  • 腰椎狭窄症、股関節形成不全と診断を受けている
  • 前足がガクッとなる
  • 後ろ足に力が入らない(トイレで踏ん張れない)
  • 腰が下がっている
  • 後ろ足は内側を擦っていて、つま先がハの字
  • 前足は外側を擦っている

施術前の状態

  • 左前足を前に出すタイミングで首を上に振っている
  • 後ろ足を回して歩いている(特に左)
  • 肩甲骨から首にかけて、強いコリがあり肩甲骨が動かない
  • 右前足が軸足になっていそう
  • 胸に強いコリ
  • 後ろ足は筋肉の衰えが見られるも、まったく無いわけではないかつ、使われている状態

なぜこの状態になったか

股関節形成不全の影響か、後ろ足(特に左)を回して歩いています。
さらに、足の接地位置が体の中心寄りです。特に後ろ足はモデルのように一直線上を歩いています。後ろ足に体重をかけようとするとグラグラするため、重心に近い位置に足を置いてバランスを取ろうとしてこの歩き方になったと思われます。

たまに右前足と左後ろ足がほぼ直線に位置する瞬間もあるくらい、足(特に左後ろ)を外から内に回しています。この動きの過程で内側のパッドが擦れ、それを避けたくてつま先がハの字になったのではないかと推測します。

歩く時、首を上下に振る動きが見られました。
動きをよく見ると、大きな振りと小さな振りの2種類の首振りがあります。
左後ろ足を前に出す+右前が後ろに出る瞬間に大きな動きになり、右後ろ足が前に出るとき小さな動きが見られるようでした。

右前足が軸足で、右の肩甲骨の動きが特に悪い状態で、左右ともに胸に強いコリがあったことから、動かない肩甲骨の動きを補う&胸側のコリに引っ張られた結果、この歩き方になったのではないかと推測しました。

前足がガクンとなる動きはこの日確認できませんでしたが、後ろ足と前足のバランス、そして首を振って動きを補うタイミングがずれたときにそういった動作が見られることがあるため、コリの影響で起きている可能性が高いと思っています。

コリがあった部分

◯胸
◯右肩甲骨の後部と上部と下部(後ろには動くけど回らない)
◯菱形筋、僧帽筋上部

施術結果

立ち姿勢の比較

【施術前】
お尻が丸く下がっていて、膝の曲がりが深い姿勢でした。

【施術後】
下がっていたお尻が持ち上がり、背中のラインが床と水平になりました。
お尻の丸みはまだ少しあるものの改善し、膝の角度も改善しています。

歩き姿勢の比較(静止画)

画像はどちらも左前足に体重が乗った瞬間です。

【施術前】
右前足の胸まわりのコリに引っ張られ、首が上がり切らずにいました。

【施術後】
下がっていた首が高く上げられるようになりました。
肩甲骨から首にかけてあった強いコリと、胸まわりのコリを解消したことで、肩甲骨と首の動きがよくなったためと思われます。

歩き姿勢の比較(動画)

▼施術前

▼施術前

静止画の比較と同様に、首が上がっているのが分かります。

首を上下に振る動きは相変わらずあります。
それどころか首の可動域が広くなった関係で大きく振れるようになっています。
一見するとガクガク歩いているように見えてしまうかもしれませんが、体を動かしやすくなった結果でもあります。

股関節形成不全があるため後ろ足の歩き方自体が改善するかは分かりませんが、体が動かしやすくなったことに気づいたYちゃん自身がバランスのとり方を変える可能性もあります。今後のケアで様子を見ていただければと思います。

まとめ

股関節形成不全で揺れがちな腰を支えながら歩くため、後ろ足を内側に回す癖があります。
生まれながらの体の癖によるものなので、残念ながら歩き方自体は施術で改善するものではありません。

ただ、この歩き方をしていることで起きたコリや、加齢や腰椎狭窄症などの理由で後ろ足を使わないようにした結果起きた前足側のコリはケアできるものです。
大型犬でシニアとなると、これからは前足の可動域が重要になってきます。
特に今回強い負担がかかっていた胸まわりのケアは重点的に続けていただけたらと思います!

続けてほしいセルフケア


・前腕
・手のひら

まずは前足側のケアをおねがいします!

この記事を書いた人

渡辺いつき
犬の整体師

神奈川や新潟で活動しています。
銀髪なことが多いです。
よく間違われますが女性です。

この記事を書いた人

渡辺いつき
犬の整体師

神奈川や新潟で活動しています。銀髪なことが多いです。
よく間違われますが女性です。

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