犬の整体は何歳から必要?私が7才からのケアをおすすめする理由

犬の整体について聞くと、このようにおっしゃる飼い主さんがいます。

「うちの子は元気だし、健康だからまだ必要ないかな」

「整体って、リハビリが必要な犬が利用するものでしょ?」

このようなイメージを持っているのは、とてももったいないなと思います。

私が施術してきた犬の多くは、シニア~ハイシニアと呼ばれる10才~20才のワンちゃん達です。

  • 急に歩けなくなった
  • 足が震えてトイレで体重を支えられない
  • 背中が丸くなってバランスを崩す
  • 段差を上れなくなった

こういったお悩みを持って来院されます。

そして続けて
「獣医さんに診てもらったけど、何も異常は見つからなかった
「病院で、老化だから仕方ない、と言われた」
「だけど諦められない・・・!」
というお話をされます。

飼い主さんが整体師という存在を知るのは、姿勢や歩き方に異変を感じてからです。
そして飼い主さんが見て分かるほど異変が起きている状態は、犬の体のあちこちに強いこりが生じている段階です。場合によってはさらに進行して、筋力の低下が起きている状態です。

目次

犬と人間の体の変化を9段階で比較

犬の体のこりが生じてから悪化までの流れと、飼い主さんが愛犬の体の異変に気づまでの間に起こっていることをまとめます。

①体の使い方の癖などで筋肉にこりが生じる
②筋肉のこりが骨を引っ張る
③姿勢が歪む
④一部の筋肉に負荷が偏る
⑤全身の体のバランスが崩れる
⑥使わない筋肉が衰える
⑦歩き方に異変が現れる
⑧歩きにくいから、歩きたがらなくなる
⑨さらに筋肉が衰えて歩けなくなる

これらに分けたとき、犬の整体を頼る方の多くは⑦~⑨の段階でいらっしゃいます。
これを「治して」と言われたとき、期待に応えられない場合も多くあります。
特に⑨の場合、ほぐすべき筋肉がすでに衰えて無いためです。

これを人間で例えたら分かりやすくなると思います。

①肩こりが生じる
②肩甲骨が外側に引っ張られる
③猫背になる
④負荷がかかった腰や背中が痛くなる
⑤左右差が大きくなり全身の姿勢が歪む
⑥使わない筋肉が衰える
⑦腰が曲がったり、股関節の可動域が狭くなる
⑧杖を使って歩行を支える
⑨足の筋肉が衰えて歩けなくなる

人間の場合、③~⑤の段階あたりで来てくださるお客さまが多いです。
それに比べて犬は⑦~⑨の段階なのです。

腰が曲がって筋力が低下した高齢者を、以前のようにまっすぐ立たせてスタスタ歩かせてくれ!とお願いされても難しそうだというのは、イメージできると思います。

それでも「以前のように元気に走ってほしい」と望む飼い主さんはとても多いのです。
ワンちゃんは何歳になっても子犬と変わらず可愛らしい姿だったり、少し前まで普通にお散歩できていたからだと思います。私も犬と暮らしているので、その気持ちはとっても分かります。

でも残念ながら、整体では衰えて無くなった筋肉を復活させることはできないのです。
あくまで、歩くための筋肉が残っていることが前提なのです。

だからこそ、犬の体が衰えることから目を背けないでほしいと思うのです。
元気に歩ける日々を望むのであれば、なおさらです。

犬の筋肉は、いつか衰えます。
だからこそ、そうなる前からのケアが必要なのです。

人間と同じ、③~⑤の「こりによって姿勢が変わってきた時期」に犬の整体を利用する飼い主さんが増えてほしいと思っています。

なぜ7才で犬の整体をおすすめするのか

毎日一緒にいる愛犬の姿勢の変化に気づくのは、とても難しいことです。
だからこそひとつの基準として「7才」という年齢を挙げました。

7才は小型犬でいうとシニア期の入り口です。
フードがシニア用になるなど、老化について頭をよぎる時期です。

7才になればどんな犬でも程度は違えど、体にこりを持っています。
けれどまだ歩き方や姿勢への影響が表れていないことが多いうえ、「最近ちょっと膝が痛くて…」なんて犬は教えてくれないので、見逃されます。
この時期がちょうど前述の③~⑤の段階なのです。

もちろん本当は、ケアの開始は7才より早いほどよいのです。
1才で姿勢の歪みに影響するほど体にこりがある犬もいますし、レアケースですが、過去には生後4ヵ月で強いこりを持っていた犬の施術をしたこともあります。

私の理想は、飼い主さんが日ごろから犬の体を触って、筋肉の硬さや姿勢の変化に気づいて自分でケアできることです。
そうすれば①や②の段階で気づけることもあると思うからです。
また、犬が体を触らせることに慣れていれば、いざ本格的に整体師による施術が必要になった時に、素直にケアを受け入れてくれることが期待できます。

とはいえその理想はまだまだ犬の整体の認知度が低い今、現実的でないため、まずは「シニアになったら犬の整体」という発想を持っていただくべく「7才からのケア」を呼びかけています。

「うちの子まだまだ若いから」と言わず、もっと軽い気持ちで、姿勢チェックがてら犬の整体を利用していただきたいです。

ちなみに、我が家の愛犬が9才のときに施術した施術レポートがこちらです。
私の家族も例にもれず「まだ若い」「どこも悪くない」と言い張っていたので、危機感を持ってもらうために書きました。

試しに愛犬の首の後ろを揉んでみてください。
うっとり気持ちよさそうな顔(私はこれを「まんざらでもない顔」と呼んでいます)を見せてくれるかもしれません。
もしかしたら、肩がこっているのかもしれませんよ。

この記事を書いた人

渡辺いつき
犬の整体師

神奈川や新潟で活動しています。
銀髪なことが多いです。
よく間違われますが女性です。

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渡辺いつき
犬の整体師

神奈川や新潟で活動しています。銀髪なことが多いです。
よく間違われますが女性です。

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