【施術例】十字靱帯断裂+パテラのジャックラッセルにできるケア
名前:マックスくん
年齢:11歳(もうすぐ12歳)
お客さまのお悩み
・今夏に左後ろ足の十字靱帯を断裂(温存療法で改善)
・反対の足のケガを防止したい
・座り姿勢が崩れる(お姉さん座り)
・両足ともに膝蓋骨脱臼グレード1~2
・右前足をねんざ?した時期があった
・冬場などは、左後ろ脚を使わず歩く傾向あり
・ケガの要因となった歪みのチェックとケアを知りたい
施術前の状態
・股関節が硬く、膝も曲げにくい
・左後ろ足を前に出す瞬間にお尻を振っている
・体重がかかると、ぐにゃっと揺れるように見える
・首、腰が硬い
・筋肉の衰えやこりの箇所などに、左右差が大きい
・右前足に目立つこり
殿筋(お尻の筋肉)と、ハムスト(もも裏)の筋肉量の差が顕著で、どちらも左側の筋肉に衰えがありました。
左後ろ足はももの前側とふくらはぎに強いこり。
右後ろ足はハムストとふくらはぎに目立つこりがありました。
首の付け根付近と腰が硬い状態で、特に腰は触ると嫌がる様子が見られました。
なぜこの状態になったか
海でフリスビーを元気に追いかける、活発な性格のマックスくん。
今夏の終わり頃に左後ろ足の十字靱帯断裂と診断され、温存療法後の体バランスについてのご相談で施術を行いました。
まず、左後ろ足の筋肉量が低下が気になりました。
子犬の頃からおすわりがお姉さん座りのように崩れた姿勢だったとのこと、加えて膝蓋骨脱臼を持っていることから、以前から前足を頼り、後ろ足を使わない体の使い方の癖があったと考えられます。
また、右前側の腕~肩甲骨にかけての筋肉がこっていたことから、体重バランスは右前重心だったようです。過去に右前足をねんざしたのも、そもそもそこに体重がかかりやすい体の使い方をしていたのかもしれません。
そこに、靱帯断裂後に左後ろ足をかばう生活が続いたことで、筋力低下と左右差が起きたと推測しました。
後ろ足の可動域が狭いことについて。
股関節が硬く、膝も曲げにくい状態です。筋力低下とパテラの膝をかばっているため、腰を振ることで狭くなった可動域を補う歩き方をしていました。
左右ともふくらはぎのこりが目立ちました。ももの前側も硬くなっており、筋肉の連動の影響が大きそうだと推測しながら施術しました。
重点的にほぐした筋肉
◯前もも
◯ふくらはぎ
◯もも裏
胸や前足も強いこりがありましたが、後ろ足に比べるとほぐれやすい状態でした。
マックスくんの緊張がとけてストレッチができる状態になってからは、すぐ緩みました。
よって今回時間をかけてほぐしたのは、後ろ足です。
施術結果
歩き方の比較(左)
▼施術前
▼施術後
前足の歩幅が広くなりました。
肩の動きが大きくなっており、肩甲骨の可動域が広がったことが分かります。
後ろ足も歩幅が広がっています。
股関節が伸展(後ろに伸ばす)できるようになり、最後まで蹴り切れるようになりました。もも裏が伸びるようになったため、腰を振らなくても足を前に出せています。
歩幅の比較
左後ろ足が地面から離れる直前の比較です。
丸まっていたお尻が上がりました。
尻尾の付け根の高さが違うのが分かるかと思います。
後屈していた骨盤の角度が改善されたということです。
膝の角度が変化しました。膝が伸びていて、深く蹴り切れているのが、ももの位置を比べてもよくわかると思います。
総合的に、後ろ足の歩幅が広がりました。
(この写真では見えませんが前足の歩幅が改善した影響もあります)
続けてほしいセルフケア
・前もも
・ハムスト(ももの裏)
・ふくらはぎ
今回は特に、後ろ方向への蹴り出しの歩幅が改善しました。
もっとハムスト、ふくらはぎがほぐれれば、前方向への歩幅も改善できる可能性があります。
歩幅が広がれば、使う筋肉も増えて筋力低下を防ぐことにつながります。
股関節が深く曲がれば膝や足首も連動で曲がり、さらに膝蓋骨を支える前ももの筋肉を使える状態にしておくことで、膝蓋骨の脱臼が防げる可能性も高まります。
ぜひケアを続けてみてください。